◆蓄光式誘導標識の変遷と高輝度蓄光のメリット
1 進化した「蓄光素材」
2 安全標識りん光材料と蓄光式誘導標識としての反映
3 消防法令における高輝度蓄光式誘導標識板
4 蓄光性素材のその他ラベル・標識への活用と注意点

■蓄光性素材のその他ラベル・標識への活用と注意点

■安全ラベル・銘板としての対応

消防法規における避難設備としての蓄光式誘導標識・高輝度蓄光式誘導標識については、災害時の避難誘導という観点から、前述の消防設備認定品のような当該規格の適合製品である事が必要ですが、そうした規格品でなくとも労働安全の視点やおいて蓄光素材を活用することは、非常に有用なものとなりえます。

「急な照明遮断時によく見える」という性質が、安全面の向上において多くのシーンで役立つ事となります。

非常ボタン・停止スイッチ用ステッカー  ドア等へ貼付 (確認喚起・衝突防止用)
スイッチ用ステッカーは非常通報スイッチの位置を明確に示すほか、電源復旧時に工作機が突然動きだす事故を防止するための電源遮断操作に非常に有効的です。 

ただし、これらを使用する場所においては避難誘導標識との混同を防ぐために注意する必要があります。
誘導標識の設置基準においても、その周囲に紛らわしい掲示物を設置しない事が要求されており、こうした掲示物を通路等に乱用することは、本来の避難誘導標識が区別しづらくする事にもなりかねません。

しかし、その点に十分留意したうえで適切に活用すれば、工作機械などの再起動事故防止などには大いに役立つものであり、火災時の避難誘導においても、障害物への衝突を避けるために明示することで、避難時の事故防止に役立てる事も可能です。
また、『倉庫やピット内などの閉じ込め事故』の対策として使用することも、危険箇所からの脱出という意味で同じ目的であって、そうした事故が火災などに付随することも考慮すれば、要所に適切に使用することによって本来の避難誘導システムが十分に活かされる場面も多いはずです。

(※低温(特に冷凍庫など)の倉庫内では蓄光素材の性質上、発光が機能しない場合があります。)

■屋外での活用は?

前述のいわゆる「新蓄光」が登場したことによって、耐紫外線の性能も向上しました。
もっとも、実際に屋外に設置するには耐水性も考慮された仕様のものでなければなりません。では「明るさ」の点では蓄光性の安全ラベルおよび標識は、屋外でその機能を十分発揮できるでしょうか。

まず蓄光素材の特性から、「照明が遮断された直後にその明るさを最も発揮する」という点があります。
周囲が暗くなった後は時間の経過に伴って、蓄光素材の明るさ(輝度)は徐々に低下してゆきますが、それでも真っ暗闇の状況ではそれなりに長時間視認することができます。

しかし、急激に明かりが消える屋内と違い、「屋外の暗所」とはおおむね夜になることを意味します。日没における周囲の暗さとは急激ではなく、徐々に時間をかけて暗くなるものです。つまり暗くなってゆくにつれて既に発光が始まっているという状況となるため、少なくとも屋内のように「照明が遮断された直後の明るさ(初期輝度)」を期待する事は難しいと言えるでしょう。加えて、人々が往来するような箇所では夜間であっても街灯やその他の照明によって、朝まで薄暗い状況が継続する事が多く、完全な暗所での視認性とはあまり関わりがなくなります。



しかし、そうした街灯がない場所や、都市の電気網が機能しない状態の災害時にも明示できるように、屋外の標識に蓄光素材が使用されている例があります。これらには耐候性はもちろん、長時間の残光性能を備えたものといえるでしょう。
結論からすれば、屋外で使用されるものは上記の理由から、屋内を想定したものより高いりん光性能と長い残光時間を備えた性能が必要という事になります。広域避難所の標識に使用されている例でも、蓄光素材部分に象嵌加工のように十分な厚みが設けられるなど、用途に合わせて長時間残光するような措置が取られています。


3 消防法令における高輝度蓄光式誘導標識板